命がけのかくれんぼ

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命がけのかくれんぼ

「いませんぜ?」 「探せぇ!」 「あっ! ここから逃げやがったのか!」 ベランダの薄い仕切り越しに男の怒鳴り声が聞こえる。  俺は小さく体を折り曲げ、息を止めた。 バクバクと心臓が早鐘のように打っている。 「まだ遠くにはいってねぇはずだ! 見つけ出せ!」  ドタドタと足音が遠ざかると彼女は素早く手すりに登って俺の部屋へと戻った。 「ダメだ、腰が抜けて動けない」 「そんなところにいて見つかったら殺されるわよ」  そう言われてはへこたれている場合じゃない。俺は足を叩いて立ち上がり、ベランダづたいにどうにかこうにか自分の部屋へと戻った。  
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