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悲惨×凄惨
「はぁ」
ハローワークからの帰り道。
どれだけ吐き出しても胸のモヤモヤが晴れることはない。
「今日も撃沈。もうすぐ失業手当も切れる」
言葉にして確認すると、危機感が現実味を帯びてくる。
「何だよ、この悲惨な状況……メロドラマじゃねぇっての」
前の車が左ウィンカーを出した。速度をおとしてやり過ごした俺の目の前で、信号が赤に変わる。
「くそっ! 信号まで俺の邪魔をする気かよ!」
完全な八つ当たりと分かっていても悪態が口をついて出てくる。
イライラしながら交差点で止まっていたその時、右手から黒いセダンがかなりのスピードで交差点に進入してきた。
「何だありゃ、やべぇな」
セダンは突如進路を変えた。スピードを出したままこちらに向かって突っ込んでくる。
「うぉい!!」
俺は咄嗟に原付のアクセルをふかし、車体を発進させた。
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