The begenning of the end

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『第二世代』と呼ばれるものたちの台頭である。彼らは団結し、人間に対抗するため、徐々に組織化していった。 そしてついに彼らは、ヴィクティムを駆逐し、消し去ろうとする人間に対し、世界各地で一斉に蜂起を起こした。 現在『大戦』と呼ばれるそれは、各地で一斉に戦火が上がったことから長期化し、泥沼化し、双方に多大な死者を出した。 次々と新兵器を開発する人類。 様々なヴィクティム化した動植物を駆る、屈強なヴィクティム。 やがてその戦いは、文明が崩壊し、双方の種としての絶対数が激減したことから、ともに戦争状態を維持できなくなり、勝者のいないまま、収束した。 ただ、破壊の爪痕だけを――――二度と癒えることのない爪痕だけを、残して。 そして、『大戦』を生き延びたものたちは、未だくすぶる、人間とヴィクティムとの軋轢の上を生きている。 人も、ヴィクティムも――――ただ荒みきった荒野を。誰もが、自分自身が生き延びるために。 己が斃した屍に、明日は我が身かと、問いかけながら――――。
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