幽霊さん

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幽霊さん

2ヶ月程前、会社を辞めた後、俺は原付の免許を取りに試験を受けに行った。1発で筆記試験をパス出来たのだが、俺は軽い色盲の為、適性検査で引っ掛かってしまったんだ。色が違うドットの数字は全く分からないが、軽度なので、その後、青、黄、赤のプレートの識別が出来る事を示して免許をもらえた。その時の試験官が美人で気になっていたところ、翌週、偶然にも、とある喫茶店でその人を見掛けた。その時、一緒に居た女性が今回50万円を貸してくれた幽霊さんだ。チラチラ見ていたので間違い無い。まあ結局、勇気が出ずに声を掛けられなかったんだけど……。でも、幽霊さんと仲良くしていれば、試験官の女性とも仲良くなれるかも知れない。 俺は、色々と不純な気持ちでお金を借りる決意をした。 その日の夜、幽霊さんがやってきて、俺は手付かずの50万円と、コンビニで弁当とお茶を買った為、少しだけ使ったプリカを封筒に戻し、手渡しで返した。幽霊さんが言うには、毎朝、俺の部屋の新聞受けに50万円とプリペイドカードを入れるので、毎晩、幽霊さんの部屋の新聞受けに使わなかったお金を入れてくれとの事だった。それと、馬券の収支が知りたいので、競馬に関係する物(例えば、競馬新聞等)もプリカで買ってくれとの事だった。 翌朝、新聞受けに茶封筒が入っていた。一応、枚数を確認する。……50枚だ。その後、コンビニでジュースを買うと、プリカも1万円になっていた。幽霊さんとの約束通りだ。 毎晩、50万円と少し使ったプリカを新聞受けに入れると、翌朝、50万円とチャージされたプリカが返ってくる。 そんな日々が3日続き、遂に土曜日がやってきた。このまま使わないでいても、来月までにはチンピラがやって来て、面倒な説教をされてしまう。俺は50万円を競馬で使う決意をした。
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