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1 俺たちは、生まれ変わっても一緒と誓った覚えはない!
1ー1 クリスマスの悲劇
それは、クリスマスの夜のことだった。
世間の輩どもは、恋だ愛だと騒いでいるが、俺には、関係ない。
その日も、俺は、いつもと同じように深夜まで残業をしてから帰路についた。
もちろん、サービス残業だぜ!
俺は、シワシワのよれたスーツの上にオーバーを羽織った姿で夜の街を歩いていた。
俺の名前は、木村 幸盛。
27才。
社畜歴5年目のベテラン社畜だ。
毎日、こんな時間まで働く俺には、クリスマスなんてものは、関係なかった。
彼女もいない。
といっても、これでも大学時代にはモテてたんだがな。
社会人担ってからというもの、そういうことからは疎くなっていた。
今じゃすっかり、清い身だった。
深夜の街は、0時を過ぎようとしているというのに、まだ、お祭り騒ぎで、通りは、色とりどりのイルミネーションが輝いていた。
俺は、すれ違ったカップルを横目で睨みながら、舌打ちした。
リア充は、さっさとホテルにでも行っていちゃついてろよな!
俺は、イラつきながらいつものコンビニでおでんと、エロ本を買い込むと店を出た。店の前では、よく見かける黒猫が俺を待っていた。
キラキラと潤んだ瞳に騙されてはいけない。
こいつは、俺に寄生しようと企んでいるキャリア猫だ。
俺は、爪先で猫をしっしっと追い払いながら言った。
「いつも、お前に食い物を貢ぐために、俺は、社畜なんてやってるわけじゃねぇんだからな!」
「にゃがるるる!」
低く呻くと黒猫は、ジャンプして俺の手を鋭い爪で切り裂こうとした。
「ぎゃあぁあっ!」
俺は、悲鳴をあげながらそいつの攻撃から身を交わそうとして道路へと転げ出た。
俺を、というか俺の持っている食料を狙って黒猫も飛びかかってくる。
そして。
俺たちは、眩い光と、耳をつんざくような車の急ブレーキの音をきいた。
そして、身体中が引き裂かれ、押し潰されるような痛みが走った。
あれ?
なんか、すごい赤い。
俺の体も、アスファルトも、真っ赤に染まっている。
なんで?
最後に、俺が見たのは、俺の隣で横たえている黒猫の姿と、ボロボロになったエロ本だった。
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