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「やっぱりとは、本部さんのところにもでたんですか。びらんは」
「私のところにも、草野親子のところにも出てきたよ」
「そうですか。すると……」
「そう。大場さやのところにも出て来るな」
「そんな」
「心配するな。私たちを今すぐにどうこうしよういう気は、やつにはない。そして封印を始めるまでは安全だ」
「そうなんですか」
「そうだな。桜井さんも感じただろう。今のびらんには明確な敵意はない。敵意や殺意を出すとしたら、五人が封印を始めた時だ」
「そうなんですね」
「悪霊にはそういうやからが多い。自分の力に自信があるし、敵意を持つ相手には、相手が完全な状態であるときに叩きたい。強い恨みや憎しみは、強い想いはそれが自分の自我をも強くするということだな。プライドと言った方がわかりやすいか。だから自分に敵意を向ける相手を、自分が有利なように相手に不利なように殺したりはしない。五人が万全の時に、五人まとめて殺したいのさ」
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