びらん

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桜井と本部を入れると、ここにすでに四人いる。 ただ父親の草野正司のほうはその目に力強い決意を感じ取れるが、息子のほうはそれほど感じなかったのが少し気になった。 だが桜井は言われるがままに後部座席に乗り込み、本部も続いて乗ってきた。 後部座席で一人は若くないとはいえ女性。 桜井が少しばかり窮屈な思いをしているまま、車は走り出した。 大場のところへ向かうのだ。 巨大なマンションとはいえ大場は同じマンションに住んでいる。 三棟ほど過ぎたところで車は停まった。 「呼んでくる」 本部が車を降りた。
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