びらん

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しばらく待っていると、本部が大場を連れてやって来た。 五人が車に乗ると本部が言った。 「運転席にいるのがその昔、びらんを封印した神主の息子の草野正司さん。後部座席の右端にいるのが正司さんの息子の信一だ。桜井さんはみな知っているな。そしてこの若い娘さんが大場さやさんだ。これで五人そろった。それでは正司さんお願いします」 車は走り出した。 しばらく走ると車は郊外に出た。 高い建物がぐっと少なくなり、家は多いがそれなりに静かな場所となった。 そして桜井の視界に鳥居が見えたと思ったら、車はそこに入っていった。 小さめではあるが、それ相応の歴史と威厳を感じる神社だ。 その本堂のわきに車は停まった。 まず草野正司が車を降り、次に本部が降りた。
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