びらん

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「そして封印する」 「その通り。必ず封印する」 そして再び静かになった。 みな口を閉ざして木箱を見つめた。 古く小さく美しい木箱を。 待った。 時計がないので正確な時間はわからないが、かなり待ったように桜井には感じられた。 もちろんこんな時の時間の流れは、普段よりも長く感じられるものだが、五人いるのに誰も言葉を発しないので、よけいにそう感じられる。 待たされるとどうしても集中力が散漫になってくる。
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