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来るなら早く来ればいいのに。
桜井がそんなことを考えていると、本部が強く言った。
「来る」
本部がそう言い終わるか終わらないうちに、五人がぐるりと囲んだ中心にある木箱の上に、びらんがその姿を現した。
かつてびらんを封印し、再び封印しようとするその木箱の上にわざわざ現れるとは。
どこまでも挑戦的な態度である。
「さあみんな、びらんに手をかざして封印したいという想いをぶつけるのだ」
本部がそう言って、自らそうした。
四人がそれに習う。
本部と草野正司は手をかざしながら小さく呪文のようなものをつぶやいている。
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