びらん

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「ひっ!」 草野信一は大きくそう口に出すと手をかざすのを止めて、あろうことが飛び上がるように立ち上がって、その場から走り去ってしまった。 「あのバカ!」 「バカが!」 本部と草野正司が同時に叫んだ。 その途端、びらんから苦悩の色が消えた。 笑った。 びらんは笑ったのだ。 五人全員で封印するはずが、一人減ったのだ。 それだけで力のバランスが崩れた。
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