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そして外に向かって。
しかしその体が途中で止まった。
隣にいた大場が飛び上がって桜井の足首をつかんでいたのだ。
大学ではハンドボール部のエース。
その実力が全国でもトップクラスの大場の反射神経が、すざましい速さで移動する桜井を停めたのだ。
「おい、こいつは二人同時には飛ばせないみたいだぞ」
草野正司が叫ぶ。
確かに桜井の体はそのまま床に落ち、びらんの顔は悔しいというか無念の色を浮かべていた。
しかしびらんは気をとりなおしたかのように、今度は大場を見た。
信一を、そして桜井を見た時と同じ顔で。
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