びらん

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本部の口から苦痛のうめき声がもれる。 びらんは相変わらず暴れている。 しかし見ればその体は完全に小さな箱の中に入り、そして箱よりも大きな顔も、だんだんと箱の中に吸い込まれていった。 「ぐふっ! もう少しだ」 本部がそう言った後、びらんの体と顔が完全に箱の中に入った。 本部が体を転がし、箱から離れた。 そこへ草野がお札を取り出し、箱に張り付けた。 本部も体を反転させて木箱に近づき、寝転がったままお札を張り付けた。 「封印は完成しました!」 草野が声高くそう言い、桜井と大場は見つめあった後、思わず抱き合った。 しかし寝転がったままの本部が動かない。
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