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笑顔でそう言った彼女の瞳の奥には、悲しみが見えた気がした。
これだけ容姿の差があれば、きっと彼女はこれまでに心ない言葉に散々傷付けられてきただろうことは、容易に想像がついた。
形は違うけれど、彼女は昔の私と一緒だ。
「私はマリ・ミズタよ。あなたたちは兄妹仲が良いのね、私は一人っ子だから羨ましいわ」
容姿のことには触れず、仲の良いことについて素直に羨ましいと伝えた。
美形王子様男子改めサイラスは嬉しそうに、
「セレンは気持ちの優しい、とても頑張り屋さんな自慢の妹なんだよ!」
そう言ってセレンティーヌの頭を撫でる。
セレンティーヌは恥ずかしそうに、けれども嬉しさが隠しきれない笑顔で言い切った。
「お兄様こそお優しくて、我慢強くて、努力することの大切さをわたくしに教えて下さった、大切な自慢のお兄様ですわ」
「セレン、なんて君は可愛い妹なんだ!」
可愛い可愛いと言いながら彼女の丸い体をギュウッと抱きしめながら頭を撫で続けるサイラス。
美しい兄妹愛を前に、私は大切なことを思い出した。
「ていうか、ここどこ?」
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