第一章 異世界に来てしまった

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 これ以上芝生を傷めないように、コンクリートはないにしても、芝生でない平らなところに置かせてもらえればと思ったのだが。  サイラスは車に乗せてもらっていないことを思い出したようで、 「では今からっ、今からクルマに乗せて下さい!」  物凄くグイグイと近付いてくる。 (だから、近いんだってば!) 「分かった! 分かったから、少し離れて!」  車に乗れると分かり、サイラスはようやく離れてくれた。  この人の相手は疲れると、麻里は小さく溜息を一つついた。  セレンティーヌもついて来たので、二人とも一緒に乗せることに。  荷物がたくさん乗ってるが、その変は少し我慢してもらう。  車は玄関前に広がる車寄せの、邪魔にならない端の方に停めることにしたので、二人を乗せながらそのままゆっくり移動することにした。 「これは何だ?」 「それはカーナビっていって、目的地を設定するとそこまで道案内してくれるの。こっちの地図は入ってないから今は画面真っ黒で使えないけど」 「これは何だ?」 「それはハザードっていって、前後左右にある小さいライトが点滅するの」 「これは何だ?」 「それは……って、さっきから煩いってば! とにかく今は大人しく座って見てて!」
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