61人が本棚に入れています
本棚に追加
これ以上芝生を傷めないように、コンクリートはないにしても、芝生でない平らなところに置かせてもらえればと思ったのだが。
サイラスは車に乗せてもらっていないことを思い出したようで、
「では今からっ、今からクルマに乗せて下さい!」
物凄くグイグイと近付いてくる。
(だから、近いんだってば!)
「分かった! 分かったから、少し離れて!」
車に乗れると分かり、サイラスはようやく離れてくれた。
この人の相手は疲れると、麻里は小さく溜息を一つついた。
セレンティーヌもついて来たので、二人とも一緒に乗せることに。
荷物がたくさん乗ってるが、その変は少し我慢してもらう。
車は玄関前に広がる車寄せの、邪魔にならない端の方に停めることにしたので、二人を乗せながらそのままゆっくり移動することにした。
「これは何だ?」
「それはカーナビっていって、目的地を設定するとそこまで道案内してくれるの。こっちの地図は入ってないから今は画面真っ黒で使えないけど」
「これは何だ?」
「それはハザードっていって、前後左右にある小さいライトが点滅するの」
「これは何だ?」
「それは……って、さっきから煩いってば! とにかく今は大人しく座って見てて!」
最初のコメントを投稿しよう!