62人が本棚に入れています
本棚に追加
とはいえ、衣食住の心配がなくなったのは本当にありがたいことだし、もともとタダ飯食らいになるつもりはなかったし、できる限りセイロン公爵家のために働くつもりではある。
だが、麻里に出来ることといえば家事全般と美容に関するものくらいだ。
あとはよく分からない『所持品リセット・セーブ』のスキル。
「ま、後で考えればいいか。とりあえずお風呂入ろ」
スイートルームばりのこの部屋には、お風呂とトイレも付いている。
中世ヨーロッパ調な世界ではあるけれど、元いた世界の中世ヨーロッパとは違って下水道は完備されてるようで一安心。
麻里付きの使用人をつけてくれると言われたが、丁重にお断りして掃除と洗濯だけお願いすることにした。
本当は掃除も自分でやろうと思ったのだけれど、高価な調度品の数々を思い出し、もし掃除中に傷なんてつけてしまったら大変だと諦めた。
先ほどチラッと覗いたときに石鹸らしきものはあったのだが、シャンプー・トリートメント・ボディーソープの類は見当たらなかったので、この部屋に連れてきてくれた使用人に聞いてみたら、やはりこの世界には石鹸しかないようで。
正直、香りもあまりよろしくなかったので、先ほど車から部屋に運んでもらった荷物の中から、お泊まりセットと寝巻き代わりのデカTを持って、浴室へ。
最初のコメントを投稿しよう!