第二章 スキル『所持品リセット・セーブ』

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 とはいえ、衣食住の心配がなくなったのは本当にありがたいことだし、もともとタダ飯食らいになるつもりはなかったし、できる限りセイロン公爵家のために働くつもりではある。  だが、麻里に出来ることといえば家事全般と美容に関するものくらいだ。  あとはよく分からない『所持品リセット・セーブ』のスキル。 「ま、後で考えればいいか。とりあえずお風呂入ろ」  スイートルームばりのこの部屋には、お風呂とトイレも付いている。  中世ヨーロッパ調な世界ではあるけれど、元いた世界の中世ヨーロッパとは違って下水道は完備されてるようで一安心。  麻里付きの使用人をつけてくれると言われたが、丁重にお断りして掃除と洗濯だけお願いすることにした。  本当は掃除も自分でやろうと思ったのだけれど、高価な調度品の数々を思い出し、もし掃除中に傷なんてつけてしまったら大変だと諦めた。  先ほどチラッと覗いたときに石鹸らしきものはあったのだが、シャンプー・トリートメント・ボディーソープの類は見当たらなかったので、この部屋に連れてきてくれた使用人に聞いてみたら、やはりこの世界には石鹸しかないようで。  正直、香りもあまりよろしくなかったので、先ほど車から部屋に運んでもらった荷物の中から、お泊まりセットと寝巻き代わりのデカTを持って、浴室へ。
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