第二章 スキル『所持品リセット・セーブ』

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 メイクを終え着替えたタイミングで、扉をノックする音が聞こえた。 「はい、どうぞ?」 「失礼致します」  昨日案内してくれた使用人さんが、朝食の支度が整ったことを知らせに来てくれた。 「ありがとうございます」  笑顔でお礼をいえば、使用人さんもニッコリ笑顔を返してくれる。  彼女に続いて食堂へ向かうために部屋を出た。  なんといってもお城的な建物だし、一人で行こうとしたら絶対に迷子になるだろう自信がある。  一日でどこに何があるかなんて、把握出来るわけがない。  廊下も広く、所々に甲冑やらお高そうな壷やらが置かれており、うっかりそれらを壊したり傷付けたりしないよう、廊下のど真ん中を歩いている。  ふと一休さんの『このはし渡るべからず』が思い出されて、一人苦笑を浮かべた。  食堂には既にセレンティーヌとサイラスが席に着いていた。  セイロン公爵は既に朝食を食べ終えて王宮に向かったようだ。 「おはようございます。お待たせしてすみません」 「おはようございます。お気になさらず」 「おはよう。昨日はよく眠れたかい?」 「ありがとう。お陰様で、頭を枕につけた瞬間からグッスリ!」  笑顔の麻里にセレンティーヌは嬉しそうに笑みを浮かべ、サイラスは「そうかそうか」と満足そうにウンウンと頷く。
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