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麻里がどう説明するべきかとブツブツ呟く姿を、サイラスとセレンティーヌの二人は小首を傾げて不思議そうに見ている。
「どういう原理かは分からないのだけど、こちらの文字が私が使っていた文字に勝手に変換されて読めるようになっているのよね」
麻里の説明に、二人は意味が分からないとばかりに困ったように眉尻が下がっていく。
容姿は全く似ていないけれど、こういったところはそっくりである。
「う〜んとね、まず本を開くとこちらの世界の文字が書かれているんだけど、それがグニャッて歪んだかと思ったら次の瞬間には向こうの世界の文字に変わってたのよ。部屋にある本何冊かで試してみたけど、全部そんな感じで読めるようになってたの」
「それは何とも不思議なことではあるな。つまりマリ殿が先ほど言っていたのは、マリ殿が使用していた文字を書いた時に、それが同じようにこちらの文字に変わるかどうかを確かめたい、ということでいいのかな?」
サイラスの言葉に麻里は満面の笑みを浮かべて何度も頷いた。
「そうそう、それを言いたかったの!」
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