第一章 異世界に来てしまった

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 今回はメーカーさんからも経費が出るので、部屋は贅沢にジュニアスイートを予約した。  それだけでもう、テンションが上がるよね。  学生さんは平日授業が終わり次第なるべく早めに来てもらうことになっており、社会人の二人は仕事のない週末に来てもらうことにした。  当たり前だけれど慣れている自分の顔と違い、いつも以上に時間が掛かるだろうが色々な方の顔をいじらせてもらえることに、とてもワクワクしている。  出来るだけその人の長所を活かせるようなメイクをしたい。  今回は新しいコスメシリーズの宣伝なので、いつもの使いなれたコスメではなく、全て新しいコスメを使って仕上げなければならない。  自宅は千葉県某所にあるので、そちらで撮影しても良かったのだけれど。  やはり自宅を知られることに抵抗があったので、都内のホテルで撮影することに決めたのだ。  荷物が多いため、車でホテルに向かうことに。  最近購入したばかりの愛車、その名も『お(つぼね)まなみ』。  昔読んだ某作家さんのエッセイに出てくる、カーナビの『人妻ゆうこ』を盛大にパクって付けた名前だ。  その『お局まなみ』に大量のコスメシリーズを詰め込む。  今回変身してもらう人に、気に入ったら即購入してもらうためだ。  若年層をターゲットにしている分、見た目にも拘った。
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