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その様子に麻里はこめかみに青筋を浮かべつつ、若干引きつった笑顔で答える。
「ふふふ、いいわ。受けてたとうじゃないの! その代わり。三ヶ月後にセレンが見事変身を遂げたら、あなたには衆人環視の中で華麗なる土下座をしてもらおうかしらね」
「どげざ?」
「膝、掌、額の三点を床に擦り付けるように謝罪する姿のことよ?」
「なっ!!」
「あら、まさか出来ないなどとは仰いませんよね? 変わっていなければ妻になれと言っておきながら、変わっていた場合は何もなしですか? 何ともそちらに都合の良い賭けですわねぇ。いえ、そんなものは賭けとは言いませんわね」
「ぐっ……」
クスクスとおかしそうに笑う麻里とは真逆に、モブ令息は苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「それで? どうなさいますか? 賭けますか? それともなかったことになさいますか? 私はどちらでもよろしくてよ?」
フフンと小馬鹿にしたように笑う麻里に、モブ令息はカチンときたのだろう。
「いいだろう、賭けてやる! そいつが変わるはずないからな」
「うふふ、きっと驚かせてみせるわ。あなたは頑張って今から華麗なる土下座の練習でもなさってくださいませ。では」
これ以上話すことはないとばかりに、麻里はセレンティーヌの手を引いてサイラスの元へと向かった。
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