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なあ、おぼえてるか。あの日の夕闇を。俺たちは小学四年生だったよな。夏休みもちょうど折り返しの半分を過ぎた辺りで、宿題なんかけっこうため込んでたけど、まだまだ余裕とばかりにいつも一緒に遊んでたよな。俺たちは親友だった。懐かしいよな。本当に懐かしいよな。俺はあの日の夕焼け空を思い出すと胸が熱くなって身体の奥から切ないものが込み上げてくるんだ。おまえはどうだ? そうか、そうだよな。「そんな遠い昔の出来事なんか忘れたよ」なんて言いながら右から左に笑い飛ばすに決まってるよな。でも俺はちっとも忘れてないぞ。何しろ俺は四十年の間、ずっと空飛ぶ円盤の中にいたんだからな。なんだよ、そんなに驚くなって。そうだよそのまさかさ。俺はあの日、おまえと一緒に宇宙人に誘拐されてから、四十年のあいだずっと空飛ぶ円盤の牢獄に繋がれたままだったのさ。
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