10人が本棚に入れています
本棚に追加
顔のほかに奇妙なのは手だよな。連中の手はとにかく細くて長い。奴らは俺たち地球人と違って、肘から手首までの部分のほうが肘から肩までの部分より極端に長いんだ。指は四本。親指は無くて、中指と薬指が極端に長い。
未だにわからないのは、奴らの性別さ。四十年経っても未だにわからないんだ。奴らが男なのか女なのか、俺には全然区別がつかなかった。結局、俺はあれこれ考えてひとつの答えに至ったのさ。どうやら奴らには男女の区別が無いんじゃないかとね。奴らはみんな身体にピッタリした灰色の服を着てたんだが、どう見ても乳房や臀部や生殖器といったものを持ってるようには見えなかった。何しろ奴らには唇や耳たぶさえも無いんだぜ。連中がどうやって欲情して子孫を増やしてるのか俺にはさっぱりわからなかった。もちろん未だにわからないよ。連中には恐らく生殖行為という概念そのものが無いんだろうな。
どうだ、親友。ちょっとはあの灰色の肌をした連中のことを思い出してきたか?
最初のコメントを投稿しよう!