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プロローグ
丘の上の公園までは歩いて10分くらいだ。僕は公園へ向かう途中に、彼女に渡そうと花束を買った。綺麗な黄色の、クロッカスの花だ。
公園に着くと彼女はベンチに座って、何処か重暗い雰囲気を纏っていた。
「ごめん待った?」
「待ってないよ。私こそごめんね。急に呼んじゃって。」
彼女は待ってないよ、と言ってからは俯いて話していた。
「ううん。全然いいよ。それより、何かあった?大丈夫?」
僕が俯いたままの彼女の顔を覗き込むようにして聞くと彼女は決心したように前を向いていった。
「別れよう。」
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