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なにより、私が楓くんを幸せにしてあげられるなんて……
これほど嬉しい事はなくて。
ぐわりと涙が込み上げる。
そして好きになってもらいたいという言葉で、心のタガが外れて……
20年分の想いが涙と一緒に、次から次へと溢れ出す。
「一からやり直さなくても、好きだよ……
人生捧げなくたって、大好きだよっ。
ずっとずうっと好きだった。
好きで好きで大好きで、どうしようもないくらい好きだった!
私の心は、とっくに全部楓くんのものだし。
私だって、楓くんのためなら何だってやってみせるっ。
好きなの、大好きっ、どれだけ口にしたって足りないくらい好き!」
それはみっともないほど、ぐちゃぐちゃな告白で……
顔も見苦しいほど、涙まみれでぐちゃぐちゃだっただろう。
「大好き、大好きっ、めちゃくちゃ大好き!
楓くんの事が大っ好きなのっ」
そこまで言ったところで、グイと抱き寄せられて。
「俺も好きだよっ!
愛してる……」
ぎゅううと、壊れそうなほど抱き締められる。
刹那、心が殺られて息の根が止まる。
うそ、今なんて……
胸が凄まじい力で掴まれて。
ぐちゃぐちゃに掴まれまくって。
それでもなお、潰れそうなほど掴まれて。
さらに追い討ちを喰らわされる。
「もう狂いそうなくらい、杏音を愛してるっ……」
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