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「ううっ、ありがとうっ……
言葉に出来ないくらい、嬉しい……」
「……よかった。
じゃあこれから毎日、これで一緒にコーヒー飲もう?
実は、それも狙ってたんだ」
そう笑声をこぼしながら、優しく私の頭を撫でた。
ああもう何これ、怖いくらい幸せだよっ……
カップの内底には、楓くんの字で「おつかれさま」と刻まれていて。
楓くんが私のために作ってくれたカップで、毎日一緒にコーヒーを飲んで……
飲み終えるたびに、その愛しい文字で一日の疲れを労われたり。
いつもお疲れ様の意味で、新たに頑張る力をもらったり。
そんな、夢にも思わなかった日々が訪れるなんて……
それがずっと続くなんて……
「そんなの、めちゃくちゃ幸せすぎるよっ……」
側面には可愛いらしいイラストもあって。
「この赤い星と太陽?も、楓くんが描いたの?」
「あぁ、うん……絵心なくてごめん。
一応それ、楓と杏なんだ」
「あああごめんなさいっ」
いやあ最低!なんて失礼な女なの〜〜。
ていうかそれ、楓くんと私って事っ?
それらは寄り添うように描かれてて。
こんなクールな楓くんが、そんな愛くるしい事をするなんて……
そんなに想われてるなんて……
正直、まだあまり実感のなかったその気持ちをリアルに感じて。
悶えるほど打ちのめされる。
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