ぐちゃぐちゃB

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「待っ、」 唇が奪われて。 チュッと何度も、愛おしむように何度も…… 甘く、深く、結ばれる。 愛を纏ったキスの破壊力は、絶大で…… 心臓が破裂しそうで。 精神が崩壊しそうで。 待って死んじゃう…… もうだめっ…… 「っ、死んじゃう!」 必死にキスから逃れてしまう。 「いや、今まで散々してきただろ」 「だってその時はっ、」 復讐だと思ってたから、という続きを飲み込むも。 楓くんは察したようで…… 「……ごめん」 ぎゅうっと抱き締められる。 「違うのっ」 慌てて取り繕おうとしたら。 「だけど」と遮られて。 「ここからは俺のターンだから」 覚えのあるセリフが零される。 「これからは俺が、杏音のために復讐する。 ずっと俺にくれてた愛も、してくれた事も、何倍にも仕返して…… 今までの分まで幸せにするから」 「っ、いいよそんなの! そんなつもりでしたんじゃないしっ、もう十分過ぎるほど幸せだからっ」 「それが俺の幸せでも?」 うっ…… そう言われたら、何も反論出来なくて。 それどころか。 そんなふうに思ってもらえるなんて、私の方が幸せで…… さっそくその、幸せすぎる復讐を喰らってた。 でも私だって、されっぱなしじゃいられない! なのに。 「だから、ちゃんと全部受け取って?」 再び唇を奪われて。 蕩けるほどの愛と、悶えるほどの幸せを、どうしようもなく注ぎ込まれる。 いつまでも、いつまでも…… そうやって私と楓くんの、本当の結婚生活は…… これからの人生は…… 莫大な愛で、満ちあふれていくのだった。 Crank up
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