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「うん、それが美味しいって話で盛り上がったら、わざわざオススメのものを取り寄せてくれて」
さすが楓くん……
その相手は絶対女性だろうと確信する。
「そう。
まぁ嫌いじゃないけど、こういう事はもうしないで。
ここに来る暇があったら、少しでも早く帰った方が身のためよ」
そう、私なんかに貴重な時間を使わなくていい。
「身のためって」
ふいにクックと笑われて。
言い方間違えたっ?と恥ずかしくなった私は、「コーヒー淹れてくるわっ」とそそくさ逃げた。
ともあれ、いただいたフォンダンショコラはあまりに絶品で……
ああ〜!頬が緩みそうっ。
そこでふと気づく。
「ネクタイ、緩めたら?」
「や、杏音に結ばれたままでいたい」
なにその意味深な発言!
どうしたの楓くんっ……
なに企んでるのっ?
この差し入れといい、さっきの発言といい……
ー「俺だけのものになってもらうから」ー
ぎゃああ!と、思い返して今さら身悶える。
おおお落ち着いて?
よく考えたら、浮気を許さないって事は、楓くんだけのものになるのと同じだし。
浮気されたら、その相手に社長候補を奪われるかもって不安になるだろうし。
だからそんな甘い言葉で、自分に気を惹きつけようと企んでるのかも!
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