ジンジン

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「えっ…… いやそういうわけじゃっ、」 「とりあえず、それを楽しみに頑張るよ」 と私の言葉を遮って、去って行った楓くん。 どうしようっ、と困惑するも…… どうやらまた、からかわれたようで。 それ以降その話が持ち出される事はなかったし。 自らその話を浮上させるわけにもいかなかったから、残業に口出す事も出来なかった。 そうして忙しい12月は、あっという間に仕事納めを迎え。 楓くんの、2度目の営業成績が算出された。 残念ながら、今回も琉司を超えられなかったものの。 負けないという宣言通り、同順位まで追い付いていて。 全体ではなんと、上位20%まで駆け上がっていたのだ。 これはとんでもない事で…… 基本順位というものは、上位になるほどスコア等の差が開いて上昇しにくい。 さらにある法則では、上位20%の営業マンが全体売上の80%を生み出してるそうで。 つまりそれほどの売上を達成した事になる。 いくら種まき営業が反映されたとはいえ、全てが今月に実を結ぶはずもなく。 研究しつくされた種まきと、その多さと、先月以上の努力を物語っていた。 遅くまで残業になるわけだ……
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