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琉司のコネ営業がここまで通用したのも驚きだけど。
実際のところ向こうの方が焦る状況だったから、きっと死に物狂いで食らい付いたんだろう。
件数は3倍に増えてたし、1件あたりの売上もいつにも増して高額だった。
そんな相手に追い付いただけでも凄いのに……
無理難題だと思ってたから、楓くんには明確な数字を示さなかったけど。
私が理想としていた目標は、それこそ上位20%だったから。
わずか2ヶ月で達成された事になる。
楓くんなら出来ると信じてたけど。
予想を遥かに超えた功績に、それほどの努力に……
胸が締め付けられて、ぼろぼろと涙をこぼさずにはいられなかった。
その夜。
今回の功績を、悪役でも労える方法がないかと……
思案しながらお風呂を終えると。
「杏音?ちょっといい?」
突然部屋にやってきた楓くん。
「何っ?なんなのっ?」
服は着ていたものの、ぎゃあああスッピン!と顔を背ける。
「話があるんだけど、俺の部屋で一緒に飲まない?」
「わかったわ、部屋で待ってて!」
追い払うようにOKしてしまうも。
実際、労いたかったから丁度良かったと。
急いでタオルドライとメイクを施した。
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