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服も着替えようかと迷ったけど……
楓くんもナイトウェアだったから、パジャマにルームカーディガンだけ羽織って、その部屋を訪れた。
「あれ、化粧したんだ?
すっぴんもすごく可愛かったのに」
なにその褒め殺し!
ていうか、やっぱり見られてたんだ……
恥ずかしくなったのも束の間。
「じゃあ適当に座ってて」
リビングに誘導されて。
ああっ、楓くんの生活空間!
夫婦なのに今さらそれに感激する。
今まで足を踏み入れた事はあっても、こんなふうにお邪魔するのは初めてで。
どうしよう、緊張してきた……
ドキドキしながら、大きなローソファーに腰を下ろした。
テーブルにはすでに、チーズや生ハム・生チョコなんかの盛りあわせが用意されていて。
飲み物を訊かれた私は、それらに合いそうなロゼのデザートワインをチョイスした。
「お疲れ様」とグラスを合わせると。
口にしてすぐ、「甘っ」と驚く楓くん。
「飲んだ事なかったの?」
「うん、これ営業先でクリスマスプレゼントにもらったヤツだから」
「そう」
さすが楓くん!
そういえば棚にも、プレゼントらしき物がいくつか置かれてるし。
結婚指輪をしてても、相変わらず恐ろしくモテてるんだろうなぁ……
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