三人の「お母さん」

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時は流れ…… 鉄治は逞しい青年に育っていた。母譲りの甘いマスクを持つおかげで言い寄る女性は多い。そのせいか、妻がいるにも関わらずに愛人二人を抱える三重生活となっていた。 鉄治はそんな彼女達を「お母さん」と呼び、平等に愛する。 育ての母である海子には立派に育ててもらった、間違ったこともするなとも言われた。 だが、複数の女性を好きになる衝動からは逃れられない。 思い出してみれば、遺伝子上の母である水無月もこんな感じで複数の男性を好きになっていたらしい。 人は、持って生まれる前の(サガ)、「お母さん」の遺伝子からは逃れられない…… 鉄治はそんな自分を自嘲するのであった……                              おわり
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