俺の名前は無敵君

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この営業所にくるまではそれなりに仕事ができていたのだが、なぜだろうか? 確かにこの営業所に来てから、自分の仕事の質もレベルも下がっていると感じる。 その一方で押し付けられる仕事の量は2倍以上、帰宅時間は常に23時を超えている。 おっと、朝礼が始まる。 「おはようございます。今日もよそから来た人間が向いてない仕事に励みに来てくれました。向いてないなら辞めればいいと思うんですよね」 朝から嫌味連発だ。延々と転勤したての自分を責め立てる言葉が並ぶ。 疲れる。 外回りに出よう。 取引先 「こんにちは。OOの社畜君と申します」 「あぁ、どうも。社畜さん」 「あなたの事、主任さんはぼろくそに言ってますよ。」 聞きたくはない。聞きたくはないが、聞かざるを得ない。 「新しく入ってきた社畜さんは使えない。前科のある人間を雇う会社の人事が分からない。おまけに妄想狂の病人で、妻と娘がいると思い込んでるって」 手が震え、吐き気がこみ上げてくる。そして頭が真っ白になる。怒りを覚えた。でも直接の原因となる人物は上司だ。 なんとか取り繕ってその場を後にする。
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