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少なくとも妻と娘は実在しているし、自分には前科はない。使えないという判断が妥当か否かわからないが、こちらの営業所に来てから低迷しているのは事実だ。
気分が重い。
会社に戻る車の中、どうしたら主任とうまくやれるのかを考えたが、何も思い浮かばない。
交通事故のふりをして主任を殺す妄想と、交通事故のふりをして自殺する妄想をした。
どちらかといえば、後者が現実的だと思う。
休日のショッピングモール
街で主任と出くわしてしまった。娘と妻に気さくに声をかけてくる。
「社畜君のご家族ですか。」
妻と娘の顔が曇る。
その作り物めいた笑顔には悪意が見え隠れている。
「????????????????????????????????????」
何を言われたのか覚えていない。
何を家族に言われたのか覚えていない。
気づけば、妻も娘も死んだような顔をしていた。
主任は僕に耳打ちをする。
「お前の家族はお前に似て本当に不細工だな」
休日明け、主任と会うのが憂鬱である。
このままだとあの男を殺してしまいそうだ
事務所
「おはようございます」
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