俺の名前は無敵君

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「おはよう。社畜君。昨日、ご家族とショッピングモールに来ていたね。僕は君の家族がかわいそうになったよ。ほら見てみろよ、みんなが、お前のことを憐れんでいるよ。それこそ君に瓜二つな娘さんのことを憐れんでいる」 「君が来ると、みんなが避けるよね。みんな、君が嫌いなんだよ。OO君も君のことを嫌いと言っているし、事務のXXさんも君を見かけたら避けるようにしていると言っていたよ」 「おっと、朝礼の時間だ」 主任は笑った。 「今日もまた向かない人が仕事に来てます。皆さん、彼のようにならないようにしてください。それでは引継ぎをお願いします」 朝から苦行が始まった。 ---昼休み--- 段々と職場で口を利く回数が減ってきた。 取引先に行っても、段々と悪いうわさが目立ち始め、僕の営業成績はどんどん下がっていった。 前科者、妄想狂、人殺し。様々なうわさが飛び交っているようだ。 僕は一人で食事をとりながら、生命保険の満期まで生きるのかどうか考えあぐねていた。 空は暗い。騒音に世界はまみれている。 最近、まったく眠れていないせいだろうか、疲労感が体から抜けない。 体が重い。
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