君への思い

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『ねぇ、覚えてる?』 優しく微笑む女の子。 誰だ? いや、俺はこの子を知っている……。 ピピピピー。 朝、スマホのアラームで、目が覚める。 「また、あの夢か……」 何度も同じ夢を見る。 ベッドに横たわる女の子。 白い肌に細い指。 花が咲くように微笑み、鈴のように響く小さな声。 でも顔は見えない。あの子の名前は____。 「いっ……」 いつもそうだ。あの子を思い出そうとすると頭が締め付けるように痛くなる。 「はぁ、起きるか……」 代わり映えのない毎日。 親もいて、友達もいて、学校もまぁまぁ楽しいし、成績も悪くない。 平々凡々、という言葉がしっくりくる俺の人生。 なのに……どこかがおかしい。 うまく説明ができないけれど、何かが足りていないと感じる。
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