SCENE4 ホテル ベイロワイヤル横浜

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 「また後日、ゆっくりとお話をしましょう。その時はよろしく」  青木がそう声をかけたが、何も言わずに前を向く山岡。遠山も素早く運転席に戻り、また音もなく車は走り去って行った。  ふっ、まあいいさ。いずれ真実を掴んでやる。  青木は車を見送り、踵を返す。少し街中を歩いた。  ふと、前から欧米人と思われる男が歩いてくるのが目につく。  特に変わったところはない。ただ、あまり人気のない路地で、たまたまやって来たのが外国人である事に違和感を覚える。横浜という地域性を考えると、珍しいことではないのだが……。  当たり前のようにすれ違う。その時微かに、その欧米人らしい男が「Goodbye(さよなら)」と囁いたような気がした。  背中に違和感を覚える。何かがぶつかったのか? 虫だろうか?  気になり振り返る青木。男が後ろ向きながらも手を振っていた。  なんだ、いったい?  立ち止まり、首を傾げる。そうしているうちに、身体の内部に違和感が……。  熱い――。  背中から徐々に全身に熱が広がっていく。風呂程度だったのが次第に焼けつくようにさえ感じられ……。  うっ、うわぁぁぁっ!  ついに叫び声をあげた。すると、開けた口から炎が吹き出す。  その時には既に、身体のあちこちから皮膚を突き破り、火の手があがっていた。  も、燃える……。俺が、燃えている……。  激しい熱さと痛みが一瞬で襲いかかり、混濁する意識。命が燃え尽きるまで、ほんの僅かの時間しか要しなかった。
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