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「身体の中から? いったいどうしたらそんなことが?」
思わず目を見張り、声をあげる夏美。
「それについては、まだ調べを続けている。現段階では不明だそうだ」
「だから不審死……。でも、それでは事件性も否定されたわけではないのでは?」
「もちろんそうだ。ただ、今言ったように身体の内部から燃えたことは判明している。ガソリンをかけられて火をつけられたとか、火炎放射器で狙われたなど、外から攻撃を受けたわけじゃない。殺人の可能性は低いと考えられている」
淡々と話す徳田。彼がこのようなときは、納得がいっていない証拠だ。
「人体自然発火、という現象を聞いたことはないかい?」
立木が夏美に訊いてきた。
「それは、確かオカルトの話だったと思いますが……」
以前、怪しげなサイトや超常現象を紹介した雑誌などで見たことがある。実際の出来事だったのか夏美にはわからないが、人が突然に燃えてしまう現象のはずだ。原因も不明だという。まさか、今回の出来事も同様だというのだろうか?
「そういうのを好んで騒ぐ者達もいるからな」徳田が苦々しい表情になった。「不安を煽られても良くないので、今のところ報道規制がかかっている。原因が判明しないうちは、あまり表に出さない方が良いという判断がされたようだ。その是非については俺は何とも言えんが、いずれにしろ、いろんな方面からの捜査も必要だと思っている。事件性を考え、これが何者かの仕業という可能性も0ではないという姿勢でな。なるべく早く事実をあきらかにしたい」
「じゃあ、その捜査を私たちで?」
夏美が立木に視線を向けながら訊く。
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