SCENE11 警察庁~国際刑事警察機構日本支部事務所の一つ

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SCENE11 警察庁~国際刑事警察機構日本支部事務所の一つ

 へっきしっ!  警察庁のビルの前まで来ると、なぜか鷹西はくしゃみをした。  誰か噂してんのかな……?  首を傾げる。夏美や三ツ谷をはじめとして、幾人かの顔が思い浮かんだ。  まあ、いいか……。  気を取り直し、目の前のビルを見上げる。日本の警察組織の最上層部と言ってもいい場所だが、もちろん鷹西が訪れるのは初めてだった。  まさか、こんなところに来ることになるとは……。  特に萎縮することはないが、場違いな思いはある。足を踏み入れるのに躊躇いも感じた。だが、任務なのだ。気にしていても仕方ない。  玄関を抜けると受付らしきところがあり、女性が座っていた。きっちりとしたスーツを身につけていて、表情もキリッとしている。当たり前だが、ショッピングモールのにこやかな案内係とは違う。鷹西は居住まいを正して来庁目的を伝えた。  教えられた部屋まで行き深山早苗が出迎えてくれたところで、ようやく一息ついた。  「久しぶり、鷹西君」  「ふう、肩が凝ったよ。こんな場所で君と再会とはね」  苦笑し、肩を竦めながら鷹西が言う。  「来てもらって早々悪いけど、場所を変えるわね」  「え?」  驚く鷹西を促し、早苗が歩き出す。部屋を出ると、入る時には見かけなかった男がいた。屈強そうだ。一瞬目が合う。隙がない。  SPだな……。彼女を警護しているのか? しかし、警察庁のビルの中で?  怪訝に感じる鷹西。
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