SCENE11 警察庁~国際刑事警察機構日本支部事務所の一つ

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 「破壊活動の業務委託、か……」  「うん」頷く早苗。「ファントムは、爆破や暗殺のプロを複数抱えていて、依頼に応えて適切なテロリストを送り込む。で、厄介なのは、テロを依頼する側には、世界中の様々な思想団体、環境団体、宗教団体、そして、場合によってはある国の主要政党、官僚などさえ含まれる事があるっていう状況ね。この日本でも、今後の関係を考えて、ファントムに協力をしている人や組織がある。それは、政界、財界、そして官僚の世界にも広がっている……」  「いずれテロ活動を起こすことで世間を乱し、それに乗じて利益を得たり権力を持ったり、ということを狙っているわけか」  険しい表情で鷹西が言った。そして「うーん」と唸るような声をあげる。  「残念ながら、警察組織内にもその影響力が及んでいる可能性が高い。だから、さっきみたいに用心して行動しているの。ファントム対策に真面目に取り組み始めた国際刑事警察機構(インターポール)と、それに協力する警察内勢力の動きを、ファントム協力者に監視されないように」  「今回のその会議、っていうのは、ファントム対策のために、各国で足並みをそろえよう、っていうことか?」  「そのための第一歩だから、必ず成功させたい。それに、重要な情報を共有するためのものでもあるの」  「重要な情報?」  「国際刑事警察機構(インターポール)が掴んだ、主要各国のファントム協力者と思われる人物達や組織、団体のリストよ。もちろん、日本も含まれる。この情報を共有することで、ファントムの動きをかなり牽制し、そして制限もできる」
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