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「ところで、夏美とはうまくいってるの?」
早苗が鷹西の顔をのぞき込むようにして訊いた。
「うまく、って……。捜査はちゃんとやってるぞ」
「そういうことじゃなくてさぁ……」
焦れったそうな声を出す早苗。
更に突っ込んできそうな彼女を躱すために、鷹西は何か話題を探す。
夏美と言えば、最近SATに推薦されるというような話があったらしい。すごいことだ。だが、鷹西にはそれについて何も言わなかった。彼が過去に推薦されながらご破算になったのを、気遣っているのかもしれない。
その話題にふれるのも気がひけた。じゃあ、あいつが今やっている事と言えば……。
「そうだ、今、立木さんと組んで妙な事案を調べているらしい」
「妙な事案?」
「ああ。班長から聞いた。人体自然発火現象みたいなのが連続して起こっているそうなんだ。今のところ事件というより事故という扱いみたいだけど、きな臭いって言うんだ。それを、夏美と立木さんに調べてもらうつもりだ、って」
鷹西は概要を説明する。
「ふーん。オカルトだね、まさに。でも、ちょっと待ってよ……」
何かが引っかかっているような表情で、早苗が首を傾げる。
「どうかしたのか?」
「人体自然発火現象……確かどこかで聞いたような気がして」
「だから、昔からオカルトの話であるだろう?」
「ううん、そうじゃなくて、最近どこかで……」
「最近? どこかで同じような事があったって言うのか?」
「そんな気がした。海外のどこか……。うーん、なんだったかな?」
鷹西は胸にざわつきを覚えた。
なんか、やばい事件に発展するんじゃないだろうな? 夏美のヤツ、大丈夫か?
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