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新政権発足による現法務省トップの地位を得た柳沼大臣。彼は自己の地位に満足はしていなかった。順調に進む新政権を脅かす反政府軍。総理の指示により拘束を実施し刑務所へも収容している現状に互いの思想に歪が生じる。
「柳沼大臣の意向は、反政府軍は殺せ!」
「……」
「更生など必要ない。一度反旗を翻した人間に二度目はない。大臣は一掃を願い腐った生ゴミは直ぐ処分しろとのお考えだ」
受刑者に紛れる反政府軍の収容者達は皆、過酷な労働を過剰に強いられている現状の意図が読み取れた中、工藤に一つの疑問が過る。
「例の新聞記者ですが、彼は政府側近の記者と聞いております。反政府軍ではないのに何故そこまで警戒を――」
再び語られた所長の言葉に工藤は絶句する。
「……、
……、
犯罪者による特殊部隊!?」
柳沼大臣の通達によると、極秘で形成される犯罪者特殊部隊の創設にあたり有能な悪人受刑者及び統率させるリーダーの選定を指示。本日収容された新聞記者の男は総理側近女性秘書により推薦された男であった。
「そ、それは、言い換えれば、そ、総理推薦……」
工藤はその言葉を呟くと同時に顔面蒼白となる。
『とんでもない男に手をかけてしまった――』
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