星空だけの街

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「人智を越えたナニカに触れてしまったんだ」  僕がそう言うと、カズマは「ナニカって何だよ」と苛立った声色で言った。 「カズマはさ、『ホープVII』がどうして鳴くのか知ってる?」 「知らないな」 「誰も分からないんだ。どうして鳴くのか」  僕らは無意識に手を繋いだ。 何だか、懐かしい気持ちになった。  何も見たくなくて、ライトを消した。 辺りは真っ暗になったけれど、星空だけは消えてくれなかった。  砂糖をまぶしたみたいな星空は、誓いを守れなかった僕らを、いつまでも(さげす)むように見下ろしていた。
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