蘇った信長

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蘇った信長

将門の居城は間も無く完成しそうなところまできていた… そして将門は完成後の総攻撃の準備を整えると共に、もう一つ敵を混乱させる作戦を実行しようとしていた… リーエルとミカは将門の総攻撃に備えて各国と連携を取る為に忙しいグランアンジェ女王の代わりに、世界樹の世話を任されていた… 「ねぇ、お姉ちゃん!これどうするんだっけ?」 「そ…それは1:3で泉の水と混ぜて木の根元にかけるって女王様が言ってたでしょ…」 「あっ…!!!そうだった…えへへ…」 「よいしょ…っと…!!!」 リーエルが世界樹の部屋の錠をかける。 …そして呪文を唱えて魔法錠の完成である。 我々の世界でダイヤルロックがあるようにこの世界では錠をかけてから呪文を唱えてより堅固な錠にする。 更にこの部屋には女王様の結界が張り巡らせてあるので、知らない者は近づくことすら難しい。 …将門の事を考えてずっと塞ぎ込んでいても仕方ないと今日はリーエルとミカは久しぶりにオーケアノスで純と一緒に食事をしようという事になっていた… オーケアノスの海近くの高台のオレンジの香りの風が吹く草原に着いた三人は、ミカとリーエルが二人で作ったサンドウィッチを手に…海を見つめながらゆっくりとした時間をすごそうとしていた… 突然… 「うっ……!!!」 …キィィィィン…!!! リーエルを恐ろしい頭痛が襲う。 「あああ…頭が… 純…ミカ…助けて…!!!」 「リ…リーエル…!!!」 「お…お姉ちゃん…どうしたの…⁉︎」 純とミカが彼女に駆け寄る。 「…どうした…余の事を忘れたのか…リーエルよ…!!!」 「……!!!」 「お…お前は…」 純とミカは目を疑った… 純が倒したはずの信長が目の前にいた… 「さあ…リーエル。余の所へ帰ってくるのだ。」 信長は音叉を鳴らす。 リーエルは…更に強い頭痛に頭を押さえて倒れ込んだ… 「…あぁぁぁぁぁ…!!!」 ついに彼女は気を失ってしまった… 「くそっ…!!!トライデント…!!!」 信長の甲冑を光の槍がかすめる… …キイィィィィン…!!! 「ぁぁぁぁぁぁ…!!!」 「…はっ!!!」 …ミカは音叉を見て気が付いた。 「純くん…!!! お姉ちゃんは信長と契約を破棄して純くんと契約したでしょう…⁉︎ でも音叉はまだアイツが持っていて…それを鳴らすときっとお姉ちゃんに影響が出るんだと思うの…!!!」 「そうか…契約していないと音叉は悪影響が… 行くぞ…ミカ…!!!音叉を取り返そう…!!!」 「はい…!!!」 「はっ…」 その時、純は戸惑った… 少し悩んで…そして手に持ったミカの音叉をポケットにしまった。 「…純くん…⁉︎」 ミカも戸惑う。 信長は声高に笑った。 「はっはっは…⁉︎ バカめ…!!! 覚醒守護神無しで余に勝てると思うのか…⁉︎」 「…やってみなきゃ分からないさ…!!!」 僕は紋章の力を最大限に高めた… 「ううう…はぁぁぁぁぁぁ…!!!」 紋章が光り出し、右手に魔王レックの業火が宿る… 信長も刀を振り下ろす… 「ムン…!!!ウルワァァァ…!!!」 純の拳と信長の剣がぶつかり合う… …バキィィィィィィン!!!!! 信長の剣は砕け散り…いや、跡形も無く焼け去りと言った方が正しいかもしれない… 二人はもみ合いながら崖からオーケアノスの海に落ちて行った… ミカが海に向かって叫ぶ… 「おーい…!!!純くーん…!!!」 そのミカの声で気が付いたリーエルも心配そうに海を見つめる… 「う…ん…はっ…!!! あ…あたしは一体…⁉︎ ミカ…純…純は…⁉︎」 そして二人が見守る中、海中から轟音と共に大きな水の柱が上がって来た… 二人の守護神は純の名前を海に向かってもう一度叫んだが 返事は無かった…
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