決戦の刻

1/1
前へ
/125ページ
次へ

決戦の刻

「…では、音叉はもう使わぬと申すのじゃな?」 ため息を一つ吐かれた女王様が純達に訊き返された。 「…ふうぅぅ……純よ…お主… 自分で何を言っているか…分かっておるのじゃろうな…」 「はい。僕にはミカとリーエル…テラやリン…それにアリスさんが側にいてくれます… それだけで充分です… だからこれは女王様にお返しします…」 純は四人の守護神…それからアリスと顔を見合わせた… みんな…晴れやかな笑顔である。 クーファ先生が呆れ顔の女王様に言った。 「守護神が覚醒状態にならずに…将門と… しかも右手にケガを… 普通に考えたらすごく不利な戦いだよな。 しかしアイツ、守護神達と通じ合った事ですっごく嬉しそうなんだよ。 なあ、アンジェ女王様… 女王様は未来を司る女神だろう…!!! アイツは将門を倒せるのか?」 女王様は微笑んで 「決まっておるだろう…純は今までも…そしてこれからもきっと未来を自分の手で掴み取る。わらわはそれを後押しするだけじゃ…」 クーファ先生は「愚問だったね。」と笑った。 ついに将門の居城が完成した。ソリューを恐怖で支配する日が来た。 将門は大声で高らかに笑った。 「影武者ローゲンがやられたのは誤算だが… 相手に怪我を負わせたのは手柄だ…!!! 手始めにあの邪魔な三つの国を我がものにしてソリューを巨大な国にして見せようぞ。まずはグランアンジェ王宮からだ。」 ジークが乗った馬はグランアンジェに向かっていた。そしてジークの馬に並行して走ってくる人馬があった。 「よう…久しぶりだな…ジーク…」 「あなたは…ルーニーさん…!!!」 「ジーク…お前は凄いヤツだよ…あの時の言葉通りに本当に国を立て直して…国民に寄り添い、そして今、かつての宿敵ライバルの為に力を貸そうとしている… 純とは立場は違えど…その己の信念に向かう姿は一緒だ… だから俺もお前に力を貸すよ。 将門との最終決戦を俺も見届ける。」 純達と将門の最終決戦の時は刻一刻と迫っていた…
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加