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最終決戦
ソリューからの内偵の情報とオーケアノスの偵察部隊により…将門の情報が逐一報告されるようになっているグランアンジェ王宮に一報が入ってきた。
「ま…将門、今にもグランアンジェ王宮に向けて出発する模様です…」
女王様は魔法部隊全軍に迎撃態勢を命令された。
オーケアノスからもクーファ国王が直々に指導している戦士部隊が応援にかけつける…
そして…ソリューから次々と魔王軍が瞬間移動でグランアンジェにやってきた。
以前の闘いより学んだグランアンジェの魔法使いとオーケアノスの戦士のペア部隊は今回も有効で、魔法で戦士をサポートし、戦士は非力な魔法使いを補うといった相手によらない戦法が大活躍を見せた。
エルドラからも一部援軍を送ってもらったのも大きかった…
将門の軍はいきなり思わぬ苦戦を強いられることとなった。
「うぬぬぬぬぬ…」
将門はうめき声を上げる…
「どいつもこいつも頼りない…!!!
やはりワシが直接血祭りに上げてやるわ!」
「そうはさせるか…!!!」
ウルの弓を持った純が将門の前に立ち塞がった。
「またお前か…⁉︎…鬱陶しいヤツめ…
今日こそ決着をつけてやるわ!」
将門はそう言うと純に向かって黒蛇の剣を振り下ろした。
黒蛇が八方から純へ目がけて飛んで行く…
その時…「ガシィッ…!!!」純の前に大きな立派な盾が現れて彼を覆い守った。
盾から小さな可愛い顔を覗かせたのは…見違える程逞しい表情のリンであった。
「…リ…リン…!!!」
「…私が旦那様に指一本触れさせませんわ。」
そして…更に、アリスとリーエルが巨大な防御壁を作る…
ミカは頑張って魔法力を出してはいるが…やはり小さな防御壁しか出せなかった…
「えーん。これくらいしか無理だよ…」
「うぬぬ…小賢しい。纏めてあの世に送ってやるわ…」
「トライデント…!!!」
リンの盾を構える横から将門に向けて光の槍を繰り出す。
純とリンのコンビネーション攻撃だったが…
将門はゴリ押しで来るかと思えば、意外にも慎重でいつでも倒せると思っているのか僕達に近づくことをあまりせず一進一退の攻防が続いた。
…やはり弓に警戒しているのか?しかし、将門には不死身の肉体と呪いに満ちた頭がある。
僕達の攻撃の意味は奴を倒すという意味では無に等しい…
僕は矢の先端に世界樹の若葉のペーストを塗った矢を弓へとつがえた。
「う…うう…弦を引く右手から血が滲んで溢れてくる…上手く狙えない…」
将門は矢をいつでも弾くぞと剣を正中線上に構えて対峙している…
このまま長引くと僕の右手は保たない…どうしよう…
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