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審判の雷
「せーのっ…!!!やあぁぁぁっ…!!!」
…ブウゥゥゥゥン…!!!!!
ミカとリーエルが矢を放つ…
「や…やめろ…うわあぁぁぁぁ…!!!!!」
矢は将門の額を捉えた…世界樹の若葉の力で矢は呪いを搔き消し、将門の額に突き刺さった。
ドギャアァァァァン…!!!
「ギャァァァァ…!!!
よ…よくも…よくもぉぉぉ…!!!!!」
矢が刺さったまま…将門は執念で誰かを道連れにしようと襲ってきた。
…キャアァァァァ…!!!!!
……ミカとリーエルが危ない…!!!!!
ムウゥゥゥン…!!!!!
僕は左手に力を込める…
いつものように…紋章が浮かび上がった…
「僕の…掛け替えの無い…本当に大切なカノジョ達だ…
もう…絶対に失ったりしない…
僕が…守ってみせる……!!!!!」
その時…紋章はいつもと違う輝きを放つと…
純の紋章のRHEA-の文字に新しい部分が浮かび上がり…
文字はRHEA+となった…
左手に雷が宿る…
バチバチバチ…バチバチバチ…
クーファ国王と女王様はその様子を見て驚いた…
「あ…あれは…あの雷は審判の…」
ミカとリーエルは叫ぶ…
「私の中のヴェラさん…
お願いします…純くんを…純くんを助けて…!!!」
「あ…あたしの中のユーリさん…お願いっ…!!!
純を…純を…!!!」
その願いに応じるように柔らかな光が二人を包み…
頭の中に優しい声が聞こえる…
「ワカッタワ…ミカサン…カレトシアワセニネ…」
「リーエル…レック…イヤ、ジュンヲタノンダワヨ…」
ミカとリーエルの身体は金色の光に包まれると…
紋章の力を使わずに覚醒していく…
「ね…姉様…これが…最後の…」
女王様…クララは直感的にこれがユーリとヴェラとの別れになることが分かって涙を流された…
「ユグドラシル…!!!!!」
ミカとリーエルが…二人で作った巨大な緑の球が…純と将門を包みこんだ…
「くっ…こんな子供騙しが通用するとでも…」
「うおぉぉぉぉぉぉ…!!!」
純は将門を左手で思いきりブン殴った…!!!
「ラグナ…レック…!!!」
…バチバチバチバチバチバチバチバチ…!!!!!
雷が緑の球体の中で直視出来ない程の眩しい光を放つと…
やがて雷と球体が溶け合い小さくなっていく…
その中から純の姿が現れた…
「純くん…」
「純…」
言葉は無く…笑顔でミカとリーエルと見つめ合う純…
「おーい…!!!」
純の元へ向かって行くアリスとテラとリン…
もう将門の姿はない…
純の雷に完全に焼き尽くされ、
天魔はこの世から完全に消え去った。
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