アースガルズ

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アースガルズ

純はソリューにある将門の居城に来ていた。 「皆さん、どう思いますか…?」 「いいんじゃないかな…? 色は白でいいかな…⁉︎」 「じゃあ早速、手分けしてやろうよ。」 「よろしくお願いします。 …色だけでもグランアンジェ王宮みたいにしたいなぁ…」 純は今朝の出来事を思い出していた… コンコン…!!! 「…入って構わぬぞ…!!!」 「ありがとうございます…」 …僕は女王様の部屋に入った… 「おお、純、もう行くのじゃな…」 「はい。向こうで暮らすことに決めました。今までお世話になりました。」 「うむ。達者でな…!!!」 「でも女王様…毎日のようにこちらに顔は出させて頂くと思いますが…!!!」 「まあ、良いではないか…お主は永遠にグランアンジェの騎士じゃからな…それにケジメというやつじゃろ。」 「女王様…」 女王様がアリスさんを部屋に呼んだ… 「…女王様、私に何か御用ですか…」 「アリスよ…実はそなたに頼みがあるのじゃ…」 「はい!何なりと…」 「実はこれを見てほしいのじゃ…」 女王様は魔法でモニターを作り出された。 そこにはソリュー王国の様子が映し出された。 高校の制服を着た純がいる…そこは将門の居城だった。 禍々しい魔王の居城は白を基調に塗り替えられていた。 これから彼はソリューの国民に演説する様子だ。 「あー皆さん。この度、国王に推して頂きました… 弥生純と申します…転生前の名はレックと申しました。 以後よろしくお願い致します。 …僕は異世界からこちらに来ました。右も左もわからない…ひょっこの僕に武術と人間として大切なことを教えて下さったのはオーケアノスのクーファ国王でした。 そして、国民と寄り添うこと、国を治めることについてはグランアンジェ女王陛下について学ばせて頂きました。 そして僕の生涯の友、エルドラ王のジーク国王から信念を貫いて生きることの大切さを学びました。 僕が今、ここに立てているのも全ては偉大なる三人の王が僕を導いてくださったからだと思っています。 ソリューは神族がほとんどの単一種族です。 …でも国を開き、様々な種族の方と交流を深めたらきっともっと豊かな暮らしになると思います。 僕は皆さんと共に、国と共に成長して行きたいと思います。 だからロークが残したここを自分の拠点にしたいと思います。 ここを皆さんと一緒に頑張って昔に負けない立派な王宮に出来た時、本当の国王になれる気がします。 僕の最初の仕事です…皆さんよく聞いてください。 ソリュー王国は名前を変えて、これからはアースガルズになります。アースガルズは全ての種族が楽しく暮らせる国になります。みんなで一緒に素晴らしい国にしましょう…!!!」 拍手が鳴り止まない。 全てを聞いていたアリスの目から涙が溢れる… 「純さん…なんて立派な…」 「アリスよ…寂しくは無いのか…⁉︎」 …ドキッ!!! 「い…嫌ですわ…女王様… 私なんかが…あんな立派なリーダーに何が出来ると…」 「一生…後悔するぞ…⁉︎」 「えっ…⁉︎」 「お前は花嫁候補では無いのか…⁉︎」 「わ、私は…その…守護神達とは違って… 彼とは契約してませんし… あんな可愛い子達には勝てませんよ…」 「そうか…⁉︎ わらわはお主が一番…純にお似合いだと思うがのう…」 「…えっ……」 「純をすぐ側で支えてやってくれ…それはお前にしか出来ないとわらわは思うのじゃ…」 「女王様…」 アリスは女王様の言葉に頷いた。 そして一礼して部屋を出た… 自分の行くべき先はもう分かっていた。
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