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新生活
こうして僕は…一応、アースガルズの国王となった。
…が…国王といっても問題山積である。
でも、以前女王様が仰った。
僕は一人じゃない。
アースガルズの人々と一緒に、女王様とクーファ先生、ジークの知恵も借りて進んで行けば良いことである。
「では…国王…失礼しますね…」
「ああ…明日もまたよろしくお願いします…」
王宮からみんなが帰った後、僕は四つのカプセルを開けた…
「わーい…!!!ここが新しい王宮だね…!!!」
「…でも…他の王宮に比べるとちょっと狭いですわね。」
「に…荷物、片付けなきゃね。純のも貸してよ…」
「純…いや、王様。これからここで生活するんやろ…⁉︎
そして仕事も…しばらくはウチらで賄なうんか…⁉︎」
「いや、明日から前の王宮で働いていた人達が来てくれるよ…みんなはずっと僕と一緒に王宮に住んでくれたらいい。
グランアンジェよりも…ちょっと居心地は悪いけどね。」
「じゃあ…明日からウチ、掃除するわ…」
「もちろん…私もやりますわ。」
「わーい…!!!ミカもやる…!!!」
「あ…あたしもやるよ…!!!」
「グランアンジェ王宮みたいになるといいなぁ…」
僕は呟いた。
「いつかベッドも大きいのも欲しいし、みんなで入ったグランアンジェ王宮みたいなお風呂も欲しいなぁ…!!!
アリスさん…何してるやろな…!!!」
「そうですわね…女王様がいて…アリスさんがいて…今まで当たり前でしたから…」
ミカもリーエルも目を伏せて黙ってしまった…
僕も寂しいな…
「あの…私も一緒に住んでいいですか…⁉︎」
僕が後ろを振り返ると…
そこには大好きなあの人が立っていた…
みんなが一斉に彼女の名前を呼ぶ…
「アリスさん!」
「ど、どうしたんですか…?
グランアンジェは…?」
「…女王様があなたを支えられるのは私しかいないと言われて…グランアンジェを追い出されました。
あなたが拾ってくれないと…私、行く所が無いです…」
…チュッ…
そう言ってアリスさんはみんなの前で僕にキスをした…
「あーっ…!!!」
みんなが一斉に僕に駆け寄る。
「アリスさんだけズルいで。純、ウチにも…」
「私も…旦那様。よろしくお願い致します。」
「ミカにもチューッてして。」
「あ、あたしも…」
「ちょ…ちょっと待って…わぁぁっ…!!!」
新しい国のアースガルズでの生活は不安と緊張があったけど、彼女達となら僕は何処でも頑張っていける。
そう確信した。
ここでの毎日も楽しくなりそうだ…
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