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太陽のプロポーズ
優しい春の風が彼女の長い髪を揺らす…
ポカポカした陽気の中、僕は見晴らしの良い王宮の屋上にアリスさんを呼びだした…
「国王様…暖かくて気持ちいいですね…!!!」
「…その呼び方やめてくださいよ。てか…休憩中だし…」
「そうでしたね…ウフフッ…じゃあ…純さん!!!」
僕の目の前に太陽のような笑顔のアリスさんがいる…
僕の心臓はドキドキして今にも破裂しそうである。でも言わなきゃ…
「アリスさん…」
「はい…何でしょうか…⁉︎」
「僕、今アリスさんの笑顔を見て思いました…アリスさんって僕の太陽だなって…」
「い…いきなり何ですか…⁉︎」
アリスさんの顔が真っ赤に染まっていく…
「僕、初めてアリスさんと会った時からずっと頼りにしてきました。年上だし、僕の言う事を何でも受け入れてくれて…最初はお姉さんのように思っていました…
でも、あなたが敵に捕らえられて、どうしても助けに行かなきゃって…その時、やっと分かったんです。ああ、僕はアリスさんのことを愛しているなって…
守護神達とイチャイチャしないでくださいって…ヤキモチを妬いてくださって…アリスさんには悪いけど僕、ちょっとだけ嬉しかったです。アリスさんも僕を愛してくれてるのかなって…
だからアリスさんから好きっていってもらった時にはアリスさんが可愛くて…僕、ガマンできなくてキスしてしまいました…
辛い戦いの時もいつも側にいて、僕を励ましてくれて、そして一緒に闘ってくれた…そして今は僕の側で僕の夢であったみんなが笑顔になれる世界を一緒に作ってくれています。
もう僕の人生にあなたがいない未来なんて考えられないです…!!!」
「ああ…」
アリスの目に涙が溢れる…
「アリス…僕と結婚してほしい。そしてずっと僕の側にいて下さい。お願いします。」
アリスは顔を手で覆った…涙が止まらない。
純はアリスを抱きしめた。
「もう絶対離さない。離すもんか…僕の大切なアリス…絶対幸せにしてみせるよ。」
純はポケットから〝Jun & Alice〟と刻印された指輪を出して、アリスの指にはめた。アリスの指にピッタリの指輪は太陽の光を集めてキラキラと光った…
僕がアリスの涙を指で拭うとアリスは涙を堪えて純の顔をしっかりと見た…
「夢じゃ…夢じゃないよね…
じゃあ…あなたにこれを受け取って貰わないと…!!!」
アリスはパチンと指を鳴らすと純の手の中に小さなガラス細工の玉が現れた…
不思議な事にその中には小さな炎がチラチラと燃え続けていた。
「アリスさん…これは…⁉︎」
「それは魔法のガラス細工で出来た…私だけの…カプセル。」
「アリスさんの…カプセル…」
「そう…あなたが守護神達と契約して…いつも一緒にいるのが私はずっと羨ましかった。
私は魔法使い。でも…守護神になってあなたにカプセルを渡して契約して貰って…いつも一緒にいたかった…」
「アリスさん…」
「だから…私、ガラス細工を習って…中に私の魔法の炎を封じ込めて…私だけのカプセルを作って…
あなたに契約してもらうつもりだったの…」
ほんのりと暖かい…そのガラス細工のカプセルには彼女の想いが込められていたのか…
…ん…⁉︎
…ていう事は…⁉︎
「純さん…私をあなたのお嫁さんにしてください…そして…私のカプセル…受け取ってくださいね…よろしくお願いします。」
アリスは涙を浮かべながら笑顔を見せた。
…僕の夢が叶った。
僕は世界一の幸せ者だ…!!!
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