海のプロポーズ

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海のプロポーズ

僕はオーケアノスの海を臨む高台の草原に来ていた… ポカポカした陽気の中に海から吹き上げる風が暖かさの中にヒヤッとした冷たさを感じさせる。 「旦那様…ここらでお食事になさいますか…⁉︎」 「リン…やっぱり海の風は気持ちいいね。オーケアノスに来ると一番の楽しみは波の音と風の音だよ。 それにこの…オレンジの香りも…」 「私は小さい頃からここで育ったからこれが普通ですが…やはりホッとしますわ。」 「ゴメンね…リン… 僕に付き合わせたおかげで… オーケアノスのお姫様なのに危険な目に遭わせたり、色々手伝わせたり… クーファ先生にも申し訳ないなぁ…」 リンは笑って「お父様は旦那様にむしろ感謝なさってますわよ… 私、昔から男性はお父様と比べてしまっていたのですわ。私がそこそこ認めていたのはルーニー叔父様位です。 だから旦那様だけですわ…お父様のような…いえ、お父様以上の深さのある男性に出逢ったのは…」 「リン…僕はリンといるといつも穏やかな海の上に浮かんでいる気がするんだ…そして海の上で浮かんでいると…心地良い風が吹いて…」 僕は草原に寝転がって目を閉じて全身に風を感じる… 目を開けるとリンの可愛い顔がアップで目の前に…リンは僕に口づけをした… 「旦那様…油断大敵ですわよ…うふふ。 では…お食事の準備を致しますね…」 リンが昼食のお弁当を広げている時、僕は後ろからリンを抱きしめた… 「キャッ…ビ…ビックリしましたわ… もう…どうされたのですか…これではお食事の準備が…」 「リン。僕はこれからも君にずっと側にいてほしい。僕を一番大切に想って海のように包んでくれるのは君なんだ。」 僕はポケットから〝Jun & Rin〟と刻印された指輪を出してリンの指にはめた。 「旦那様…」 あまりの驚きにリンはぼうっとして僕の顔を眺めていてくれていた… 「リン…僕の大切なプリンセス…いつまでも僕の側にいて欲しい…僕と結婚してください。お願いします。」 リンは溢れてくる涙を止められなかった… 「い…今…全部分かりましたわ… 貴方が私に決して仕事を手伝わさなかったのは…ご自分だけの力で私にこれを買ってくださる為だったのですね… なんて…心の優しい人…私の目に狂いはありませんでしたわ。 旦那様…私は何処までも貴方について行きます。 これからも末永くよろしくお願い致します。」 僕はリンを強く抱きしめた… リンの涙を指で拭って「女王様がリンのことを〝新しい盾の戦乙女〟だって…仰ってたよ。」と言うと「まぁ…私ってそんなにお転婆だと思われてるんでしょうか…⁉︎」 そう言って彼女は笑顔を見せた。 僕はそのリンの笑顔がたまらなく可愛くてもう一度抱きしめて口づけをした…海の風は優しく僕達を包んでいた… …僕の夢が叶った。 僕は世界一の幸せ者だ…!!!
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